prologue
「私、がいない」
それは、あまりにも突然に訪れた気付きで、言葉も出なかった。
幼い頃、私には夢があった。
それは、「いつまでもキラキラしている大人になること」。
まだ幼い私にとって、成人していればそれで十分に大人だったけれど、
その中にもいろんな人がいて、
まるで子供のようにやりたいことを探求している人もいたし、
反面、何もかもを諦めたような顔で毎日ただ生きている人もいた。
そんなたくさんの大人たちを見ながら、
いつからか漠然と思うようになっていたんだと思う。
―私はいつまでもキラキラしている大人になりたい。